二胡の値打ち

 北京第二外大の老師に「二胡でも習いたい・・・」と軽い気持ちで話したら早速翌日、先生を紹介された。
 3年ほど前、北京での話である。
 自分で言い出しておいて今さら、引っ込みもつかない。とんとん拍子で二胡の購入やレッスンの日取りと話が進む。

(注;本エッセーは、私の別のブログ「凡夫の日々是好日」に書いた記事の追補版です)

 ところで二胡の知識などゼロで、どんな二胡を買ったらいいのか皆目見当もつかない。古玩街の琉璃廠で二胡の店を何軒か見かけたがと話すと、「ダメダメ!あそこで買うのは観光客か玄人!」。
 老師が紹介してくれたのは王府井にある大型の楽器専門であった。定価販売の店だが1~2割ならまけてくれると言う。初心者なので600~1200元(1元=約15円)位が適当だそうだ。(上は3、4000元と高級品もある一方、土産物屋では2~300元とオモチャ程度のものもある)。
 品質の目安は蛇皮の鱗の目の大きさが揃っていることや、胴(蛇皮)の部分を指で弾いたとき「ポン」と心地よく響くこと、棹はニスや塗料が塗られていないもの等々、親切にも注意事項を箇条書きにしてくれた。

 メモを片手に出向き、買ったのは少し奮発して1500元の二胡。これなら、まあ途中で練習を挫折しても腹も立たない金額だ。
これが最初の二胡との出会いであった。この二胡は半年ほど使ったあと日本に持ち帰り娘にやった(どうも弾いている気配はない)。

 ところで二胡はワシントン条約の保護動物であるニシキヘビの皮を使っているので日本持ち込みは手続きがいる。北京の当局に何度か足を運び200元の手数料を払って一週間ちょっと、かかって発行して貰った。当時は形ばかりのいい加減な手続きだったが2005年以降はえらく厳しくなっている。日数も3週間以上を要するので一般旅行客が持ち帰るのは難しくなった。

 今までに数個の二胡を持ち帰ったが、内一つは手続きが間に合わず迷った末、日本の税関で没収されるのを覚悟で、分解して持ち帰った(不完備ながら原産地証明ほか書類は用意していた)。このとき初めて二胡は胴、棹などと簡単に分解、組み立て出来ることを知った(関空通関の結果はご想像にまかせます)。

 その後、天津でも二胡を購入した。天津の友人の紹介で訪れたのは小さな二胡工房だったが、二胡作製の腕は定評のある職人夫婦が賄っている。オヤジ曰わく、最近はニシキヘビの皮もさることながら、黒檀、老紅木(マホガニー)などのよい木材が手に入れ難くなったそうだ。これらの材料は数十年、乾燥させ変形しない丈夫な状態にしてから二胡を造るという。よい材料に事欠いてこの頃は、黒檀、紫檀などの古い家具もばらして使っているとのこと。

 余談だが古い高級家具と言えば、地下鉄1号線の四恵東の近くに中国紫檀博物館があり、明、清代の紫檀高級家具が展示されている。歴代の皇族貴族が使用していたのであろう。
 強者どもが夢の後、人間ははかなく消えても、これらの家具は永遠の物かと思われるほど、しっかりとしていて、重厚な光沢をたたえていた。
 
 いい二胡にはそうした黒檀、紫檀、老紅木などの高級木材を熟成させて使うので値段が高いのも頷ける。
 工房で作製中の二胡を見せて貰ったが、職人の苦労をしらない凡夫には意外に簡単な造りにみえる。オヤジに安くて良い二胡を選んでもらったのが黒檀の二胡で3000元。最終的には2000元にまで、まけてくれた。

 日本で売られている、きちんとした二胡は10~30万円。物価水準の異なる中国での価格と比較するのは難しいが、素人考えでは数倍の開きがあるように思える。
二胡はワシントン条約がらみの通関許可も必要だ。流通在庫などの要因を考えれば妥当なのかもしれない。とは言うものの、どのくらいの値開きなら妥当なのか?少し気にかかる。

 工業製品と違って、二胡など工芸品の値段はピンからキリまでと幅が広くて、素人には掴み所がない。まあ、二胡の値打ちとは気の持ちようでもある。買う本人が満足できるのならそれで良いのに違いない。

 いい音色を出すには、良い二胡は必要条件だろうが十分条件ではない!収集癖が禍してか、3個の良い二胡を持っている。が、未だに情け無い音色しか引き出せない(二胡の値打ちをうんぬんするのは10年早そうだ!)。

 思うに、単身赴任の中国だったからこそ、細々ながらも二胡を続けられたような気がする。体も硬く、上達の遅いオジさんが、日本でゼロからのスタートであれば、途中で投げ出していたかもしれない。そんな思いもあって退職、帰国した今も、中国駐在中の友人連中には、二胡は中国で始めるようにと、勧めている。

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