竹二胡つくり

 興味本位で竹二胡作りの講習に参加してみた。所は毎日文化センター、十数名の受講者のおおくは年配者。
それぞれ好奇心に満ちた面持ちで工作は進んでいく。物作りは幾つになっても楽しい。

 二胡経験者も数名いるみたいだが大方は、二胡は初めてとのこと。皆さんそれぞれ一体どんな動機で参加されたのか、それにも興味をそそられる。
 私の場合、二胡も趣味の域を出ない(出られない?)し竹二胡も遊び気分の延長である。ただ買ってまで竹二胡を弾きたいとは思わないが自分でつくるのは面白そう。どんな音色がでるのか楽しみである。それに自分の腕をたなに上げ、きれいに弾けなくても「おもちゃ二胡だから」と笑ってとぼけられる!
 そうした不埒な想いもあるが、竹二胡をとおして本物の二胡の良さの再発見につながればとの期待も少し有る。

 竹二胡について簡単に紹介してみたい。文字どおり棹も琴胴も竹で出来ている。ちなみに琴胴は太い孟宗竹の輪切りで、棹は寅竹とのこと。一番驚いたのは蛇皮の代わりにファイバークラフト(木材パルプや綿を原料につくられた新素材)を使っている。
 この素材は水につけると柔らかくなり、乾燥すると板のように硬くなる。つまり加工が容易で素人でも扱いやすい(水で柔らかくしたファイバークラフトを木工ボンドで竹胴に貼り付け、重しを載せて自然乾燥ささればピンと張った琴皮ができる)。この素材を使ったドラムまで有るので強度も可なりのものと思われる。
 とは言え、本物の蛇皮にはとても及ばないはず、はたして一年も持つのだろうか?
余談だが水に漬けたファイバークラフトは少しぬめっとしたボヨボヨの手触りになる。本物の錦蛇の皮も同じような状態になるとのこと。親水性のコラーゲンを多く含むせいらしいが、蛇皮だけにこの感触は気持ちが悪いらしい!
画像

 
 2回の講習で竹二胡は完成。興味津々で弾いてみると、本物の二胡に比べれば音の深みは欠ける?が、そこそこ二胡らしい音は出る。また竹琴胴の内側は紫檀、黒檀に比べて柔らかく反響が弱まるのか、澄んだような音がでない。
画像

 二胡の老師は二胡の良し悪しの判定の一つに琴皮を指ではじいてその音を聴く。ポンと軽く響くようなものが良いらしい。作った竹二胡と本物二胡を聴き比べてみると、竹二胡の方がやや硬い音がする。

 ともかく見た目もおもちゃのようだし、それが先入観になって何か安っぽい音に聞こえるのかもしれない。そこで録音して二胡と竹二胡を聴き比べてみることにした。曲はスローテンポの「睡蓮」と軽快な「小さい秋みつけた」の2曲でいずれも♭B調。(実は棹の第1ポジションの人差し指のところに竹の節があり、弾きにくいのでこの選曲)

 録音を再生してみると、やはり音色の違いは感じられる。本物の方が音が深いと言うかふくら味がある。雑音については、腕前とまだ竹二胡に慣れないせいか竹二胡の方は雑音が出易い(音量は竹二胡の方が小さいが、指に伝わる弦の振動は大きい。凡爺だけの話かもしれないが、この現象が起きると雑音も出易い)。

 ともかく竹二胡のおかげで本物の二胡の良さの再発見ができた気がした。当たりまえの結論のようですが実際に自分で体験し、実感してみると本物への愛着がひとしお湧いて来て二胡練習の励みになる?!?。

 なお、指導していただいた竹二胡先生の名誉のために一言付け加えておきたい。素人が作っても、そこそこ“二胡もどき”の音がしている。きちんと作られた竹二胡を使い込めば、もっと素晴らしい音がでて、楽器の一つとして通用するのでは…。

 最近は色々な新素材が色々な分野で驚くような性能を発揮している。ここで使ったファイバークラフトも二胡用に開発されたものではないと思うが、二胡に使うことをよく思いついたものだと感心する。
今後、更に研究されれば錦蛇の皮に代わる人工皮革が出てくるかもしれない。

                                      凡爺

この記事へのコメント

kaze凪
2007年08月08日 23:41
いいですね!
二胡の原型は竹といわれていますので、古典的な音色ではないでしょうか。
棹まで竹とは素晴らしいですが、棹が中空だと振動が大きくなりそうですね。それが、弦の振動の大きさにつながっているように思えました。糸巻きも手作りですか?
凡爺
2007年08月09日 20:37
Kaze凪さん。コメント有難うございます。竹二胡は古典的な音色とのご意見には同感です。私が参加したコースでは糸巻きと弓は出来合いの市販品でした。
それはそうと、Kaze凪さんのバス二胡は凄いですね。探究心と好奇心旺盛なKaze凪さんには驚きです。ブログ拝見に行きますので作製の過程と結果を載せてください。
にこひめ
2007年08月10日 00:38
凡爺さん、こんばんわ
やっと竹二胡できましたね、手作りだから愛着がでますよね、二胡よりも竹二胡に気が注いでいるのではないですか?先月に生駒へオカリナ作りに行ってきました。とても楽しくて半分は先生に手直しいていただき出来るのが楽しみです。片手間に吹いてみようかなぁと(余裕ないですけど)
凡爺
2007年08月10日 14:29
にこひめさん、こんにちは。
いやいや、竹二胡によって本物二胡のよさに気付かされました。
オカリナいいですね!二胡との相性も良いのじゃないですか。二胡とオカリナの重ね録音も面白いかもしれませんね。ときにちょっと嗜好をこらすと二胡が見直せるような気もします。
はなみづき
2011年10月17日 21:58
こんばんわ
去年、竹二胡を作ったのですが出来が悪くて処分してしまい
ました。そろそろブログ楽しみにしてるんですが、、。
それと二胡初めませんか?
凡爺
2011年10月18日 17:37
ななみずきさん
こんばんわ!ブログの方も長い冬眠をしていましたがそろそろ眠りから覚めようとしています。10月末には「あらまし二胡」なるホームページを立ち上げる予定ですので覘いてみて下さい。
はなみづき
2011年10月19日 23:57
こんばんわ
「あらまし二胡」10月末ですね、楽しみです!!

この記事へのトラックバック

  • 積年の夢、二胡との邂逅。

    Excerpt: 昔は、自分のつたない中国語力に勇気が出ず、引っ込み思案になったり、訊きたいことも呑み込んだりしたが、その時ははっきりした質問も頭に浮かばず少し躊躇した。しかし、立ち去れず、とにかくドアを押した。遠慮が.. Weblog: マダム スンの台湾と日本の片隅で racked: 2009-04-14 20:19
  • ようやく秋、二胡の先生と楽器店へ行く。

    Excerpt: 10月上旬。11階の室内で24~27度くらいの気温に落ち着き、過ごしやすくなってきた。思うに、台北の自宅にいて24~25度というあたりが私は一番好きだ。長らく裸足だった足にソックスを履こうかなあ、まで.. Weblog: マダム スンの台湾と日本の片隅で racked: 2009-04-23 10:07
  • 長安楽器で二胡と陳老師とのしあわせな出逢い。今朝はメイと市場へ歩く。

    Excerpt: 台湾へ来てから、このブログを更新する時間が一定でなくなってしまった。娘たちは台北滞在の40日間は夏休みとなり、それほど厳しく就寝及び起床時間を守らなくてもよいし、リーが会社から帰宅するのも8時頃になる.. Weblog: マダム スンの台湾と日本の片隅で racked: 2009-07-14 14:40