二胡、雑音低減の試み(Ⅰ)

 弱音器は付ければ当然、音は小さくなります。では雑音はどうか?音が小さくなった分に比例して雑音も小さくなるのか?どうもそうではなくて、音が小さくなった以上に雑音は減っているようです。(弱音器、有り無しで弾いて録音し、同じボリュームで再生、比較すると分かります)。

 また普通に弾く場合、左手の弦を押す力は、ある程度かけないと、音は不安定になってしまいますが、弱音器を付けた場合は、弦に軽く触れる程度でも安定した音がでます。(客観的には応答感度のいいチューナーで針にふれを見てもわかります)。

 どうしてこのような違いが出てくるのでしょうか?ここに何か、雑音低減のヒントの一つが隠されているのではないでしょうか。
 弦楽器の難しい理論とはご縁がないので、単なる二胡好きおじさんの雑談として話しを進めていきます。

(音の発生と抑制)
 弓で擦れば弦が振動し、その振動が駒を介して皮に伝わります。皮の振動は、共鳴胴で増幅され、更に大きな音となって出てきます。音の発生源としては①弦の振動、②皮の振動、③胴での共鳴の三つであり、駒は音の発生源ではありません。
ですが間接的には、弦の振動を皮に伝える、或いは皮の振動を制御することで、音との関わりを持っています。(駒については後ほどふれます)

 音質調整剤のフェルトはどうでしょうか?フェルトは駒の後ろにはさむので、弦の振動とは直接的な関係はありません。フェルトは皮を押さえて皮の振動を抑制し、その程度に依って音が小さくなるばかりでなく音色(柔らかい音、透きとおった音など)に影響します。
なおフェルトを駒に接触させるように置けば、駒の振動おも抑制するので音(雑音を含め)は更に抑制されます。

他には、千金も影響する場合が有るようです。開放弦を弾いたときに、雑音が目立つような場合、千金部分の内弦と外弦の間に輪ゴムを挟み、二つの弦が干渉しないようにすると効果があるようです。

 
  二胡の音の発生源は、上記の三つの部分①②③で、音を抑制するのは音質調整剤のフェルトや弱音器です。その中間に位置する駒は、芝居の黒子のような存在と言ったところでしょうか。弦の振動の伝達役でありまた一方、皮の振動の抑制材と、二つの顔を持っています。
 
 弓はどうでしょうか?弦を擦って振動を引き出すと同時に、弦に接触しているので弦の振動を殺すと言った二つの顔をもっています。

 駒や弓のように二面性(相反する)を持ったモノの他に、弦を押さえる左手指の作用もややこしそうです。軽くふれる程度だと、指と駒の間の弦と、指と千金の間の弦の両方が振動し、上級者はこれをハーモニクス演奏として利用するとのことです。
弦を押す力のかけ具合で音程も変わる性質は、ビブラートの一つに使われると言ったように複雑です。
 兎も角、指は弦の振動の面からみれば、音程を決めるフレットの役割と、弦の振動を抑制(吸収)する二つの作用があるようです。ややこしいですね。指は大きくて柔らかい人が有利と聞きましたが理由は知りません。

 話を二胡本体に戻します。
共鳴胴の役割は、皮の振動で出た音の拡大です。材質は紫檀、黒檀のような堅い木が使われますが(安物は別)、これは丈夫であることに加えて、いい音色を出すための条件だそうです。
 胴が紫檀なら、棹も琴台も紫檀と言うように材質は揃えられています。よく駒は自分の二胡にあった駒を選びましょうと言われます。たしかにその通りでしょうが初級者には抽象的すぎてわかりません。駒は大きく分ければ、松など軽くて柔らかい駒と、紫檀などの硬くて重い駒があります。(駒の上部は黒檀で、下部は松と言った二層の駒は両方の良いとこどりでしょうか?)
 軽い材質はよく響くとも言われているので、初級者は雑音が出にくいと言われる硬い駒の方が無難かもしれません。値段は少し高いが・・・。
駒については、材質や形の他に、駒の位置や向き、皮との相性など上級者は色々とご意見をお持ちのようです。

(文が長くなるので、以下は続編にします)

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