二胡、雑音低減の試み(Ⅱ)

 (弱音器から弱音駒へ)
 二胡は弦、琴皮、共鳴胴の三つの音発生源から、出来るだけ大きな音を引き出すように作られています。しかし初級者の立場からは、いくら大きな音が引き出せても雑音で悩まされては堪りません。

 また、この三つの音発生源から出る音が、それぞれバラバラだったら、雑音発生器になってしまいます。それぞれの振動(音)が同調するには二胡自体の品質が要求されると思われます。

 次は腕まえですが、滑らかな運弓で、雑音を出さない様にするには、これはもう練習で会得するしかないでしょうね。とは言え、耳を覆いたくなる雑音では練習もままなりません。

 そこである時期、弱音器のお世話になるわけです。(弱音器は子供が自転車乗りを覚えるときの補助輪みたいなもので、いずれ外さなければなりません)

(色々な弱音器)
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(タイプⅠ)
 弱音器には色々なタイプがあります。駒の代わりに鉛筆を挟むタイプでは、弦の振動が鉛筆の接触面で伝わり、皮の振動を殺し弱音化します。

(タイプⅡ)
 鉛筆の両端に敷物をかませ、鉛筆が皮から浮いた状態にすれば弦の振動は、皮に伝わらず弦の振動音だけになるので音は更に小さくなります。但し二胡としての音色は犠牲になります。

(タイプⅢ)
 駒は付けたままで、駒の振動を抑えるタイプの弱音器(例えば金属製の洗濯ばさみの様なものを駒に付けたり、駒を押さえる木製のブロックのタイプ)もあります。駒の上を指で軽く押して、弾いてみたら直ぐに分かりますが駒の振動は抑えられ、音は小さくなります。
 
私の独断と偏見から言えば、
 音の大きさ; タイプⅡ < タイプⅢ < タイプⅠ(一番大きい)
 音のきれいさ;タイプⅠ < タイプⅡ < タイプⅢ(一番きれい)

 タイプⅠとⅢの弱音器は変形した駒ともいえます。よく駒の材質や形で音色や雑音も変わると言われますが、同じ原理のようです。

 初級者が普通の状態(弱音器なし)で弾いたとき、音のかすれや裏返り、切れ、雑音が発生しがちです。これは弦を擦る圧力(滑らかさ)と弓毛表面の状態が影響していると言われています。
 弓の速度は、ある程度速い方が、音が安定するようです。(同じ音符でも弓を大きく使うことで、結果的に弓の速度は上げられます)。鉛筆で画用紙に線を引くときも、ある程度速く、さーっと引いた方が小さなデコボコの少ない直線が描けますね。

 弱音器なしでは、弦はよく振動します。そのような状態では、運弓が良くないと不規則な振動が発生し、色々な音が混ざりあって、いわゆる雑音となって出てくるようです。
弦の振動が大きいので弓がはじかれたりして、なめらかに滑らないのが原因かも知れません。内弦、外弦の比較では、内弦の方が振動が強いので、雑音が発生しやすいようです。

 弱音器をつけると弦の振動は抑制されます。正確には皮の振動と言うべきかもしれません。皮の振動が弱まれば、同期して弦の振動が弱まるのでしょうか。そしてそれが弱音化のみならず、雑音の発生抑止に効くようです。

 二胡の魅力は、透き通ったような音色で、また人の声に近いとも言われます。弱音器をつけると音色は少し、こもったような音になります。
透き通った声は一番きれいでしょうが、こもったような声でも、だみ声(雑音まじり)よりはましですね。それに、音色は雑音とは別物で、好みの問題があるかも知れません。

 広いところでの演奏や、他の楽器との合奏では、大きな音は求められます。しかし趣味で家庭的な雰囲気で楽しむのなら、大きな音は要らない或いは、かえって邪魔になる場合もあります。
 そうしたニーズも考えると、大きな音は出ないが、きれいな(雑音が少ない)二胡の音色を楽しむ手段があってもいいと思われます。弱音器を駒の一種としてとらえ、更に完成度の高い弱音駒が出てきたら朗報ですね。
 音質調整剤のフェルトはプロの演奏家も使って、既に二胡の一部として認められています。弱音駒も選択肢の一つとして、あっても良いのでは・・・。

 いやいや、早く弱音器など要らない腕前へと研鑽をつむのが本筋でしょう!



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